【ききみみ】TIOT本格デビュー前から“超速”の進化 4人それぞれのボーカルは無限大の広がり
韓国の4人組ボーイズグループ「TIOT(ティーアイオーティー)」の本格デビューが目前に迫っている。1月27日、東京でのコンサート中にも「プレデビュー期間、最後の公演」と度々口にしており、ファンたちも“いよいよか”という期待に胸が膨らんでいることだろう。
現TIOTのメンバーであるキム・ミンソン、クム・ジュンヒョン、ホン・ゴニ、チェ・ウジンは4人揃って、韓国Mnetのオーディション番組「BOYS PLANET」(2023年2月~4月放送、以下ボイプラ)に出演。登場するや否や、パフォーマンス力の高さで出演者を圧倒した。なかでもジュンヒョンはファイナルまで進むほどの人気を博した。そんなボイプラが終了して、わずか4カ月のうちにTIOTとしてプレデビュー。オーディション番組出身グループでは他に類を見ない、爆速の始動だった。
彼らのプレデビュータイトル曲「百戦無敗」は、2001年に発表されたClick-Bのカバーだ。聴き比べてみると、ヒップホップが混ざったミクスチャー・ロックに近い原曲に比べ、TIOT版はロックならではの力強さを残しつつもダンスミュージックとして刷新され、よりメリハリのある編曲に生まれ変わっている。
MVは学校を舞台に、抑圧や息苦しさから解放されていく青春ストーリーが描かれた。最初と最後で変化するウジンの表情にも注目だ。「窮屈なこの世界の中で 君はなんのために生きてるの?」「いつも夢を見続ける やるかやられるかだ」という歌詞は、K-POP界の荒波に立ち向かっていく意思を表明しているようで心強い。
ミンソン、ゴニへ繋いでいくAメロのラップ、ジュンヒョンの美声に寄り添うミンソンとのペアダンス、末っ子ウジンがセンターへ出てくるサビと勢いを止めることなくラストまで突き進む。ひとときも目が離せないパフォーマンスからは心が湧き立つようなエネルギーを感じる。常に完成形を見せられるダンスの実力、4色の個性的なボーカルの可能性は無限大だ。
男子、三日あわざれば刮目(かつもく)して見よ――。特に韓国のボーイズグループはまさにこれだ。ほんの少しでも目を離すと、あっという間に顔つきが変わり、洗練されていく。ボイプラ終了後からぐんぐん成長を続けるTIOTは、デビュー前の武者修行を終えた。本格デビューでは私たちの想像を超える、新たな姿を見せてくれるに違いない。(河野 利枝)
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