NHK、STARTO所属タレントの番組出演解禁へ 昨年9月の新規起用停止から1年、ようやく事態進展

22年、第73回NHK紅白歌合戦のオープニング

NHKが、旧ジャニーズ事務所のマネジメント業務などを引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT」の所属タレントの番組への新規起用を近く再開することが14日、分かった。早ければ今月中にも発表される。性加害問題を受け、昨年9月に新規起用を停止してから1年以上が経過。ようやく事態が進展した。

スポニチの取材では、今年夏ごろから番組制作担当者とSTARTO社との間で、番組出演に向けた議論が水面下でなされてきた。「NHK職員が同社のライブを見にくる機会も増えている」(音楽関係者)と交流も行われている。現場はかねて起用に前向きだったが、ストップをかけていたのは上層部。同局幹部は「NHKは報道畑の力が強く、ドラマや音楽番組の制作陣とは考え方が異なる。ただ、局として方針を見直す時期が来たと判断したようだ」と話している。

創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、昨年9月に同局の稲葉延雄会長が新規契約をしないと明言。再開の条件を「被害者への補償と再発防止に向けた取り組みが着実に実施されていること」としてきた。

被害者への補償業務に専念するSMILE―UP.は先月、被害を申告してヒアリングを行った524人に補償内容を通知し、約96%と合意したことを発表。SMILE社の藤島ジュリー景子代表取締役も関連会社4社の会長職を退任、STARTO社との経営分離も進んだ。稲葉会長も先月の定例会見で「総括的に判断していい時期を迎えつつある」と起用再開に前向きな考えを示していた。現在は最終調整の段階とみられ、STARTO社は「弊社はコンタクトも取っておらず、何も伺っておりません」とスポニチに回答した。

起用再開で期待されるのは、大みそかの紅白歌合戦への出場だ。毎年複数のグループが出演していたが、昨年は44年ぶりにゼロ。「今年は見たい」と期待する声も多い。

一方、「起用再開=紅白出場とはならない」と指摘する音楽関係者もいる。一昨年まで同社のタレントは大みそかに紅白とカウントダウンライブをはしごすることが定番だった。ただ、紅白出場もライブもなかった昨年は、各グループがオンラインで年越しライブを実施。ファンにも好評だった。新たな選択肢が加わったことで、同関係者は「ファンと過ごす選択もありうるだろう」と話している。

同社のタレントは音楽番組だけでなく、大河ドラマなどNHKのさまざまなジャンルの番組に出演してきた。再び活躍が見られることはファンにはうれしい限りだ。

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