【ききみみ】RIIZEの魅力は多様な楽曲へのシンクロ率!新人らしからぬステージング
RIIZE(ライズ)は23年9月に「Get A Guitar」でデビューしたSMエンタテインメント所属のボーイズグループ。11月の「MAMA AWARDS」以降は日本でのイベント出演が続いており、実際に彼らのステージを目にした観客は、新人らしからぬパフォーマンスに度肝を抜かれたことだろう。RIIZEの魅力は、抜群の歌唱力と緻密なダンステクニック、そして多様な楽曲へのシンクロ率の高さだ。

レッドカーペットでポーズをとるRIIZE
あらためてRIIZEの作品を振り返ってみると、23年8月にリリースしたプロローグシングル「Memories」から「Get A Guitar」「Talk Saxy」「Love 119」まで、いずれもシングル形態でのリリースだ。音源化されていない「Siren」もそうだが、全ての曲が異なるジャンルでありつつも強いインパクトを残す。なのに間違いなくRIIZEのイメージにピッタリとハマっている。SMエンタは以前から“先見の明はあるが早すぎる”ということが多々あったが、今このグループの存在をもって、時間軸が正常になったように思う。
「Get A Guitar」のギターを弾くような振り付けはSNSでダンスチャレンジをする人が後を絶たなかった。サビの強力なフレーズがリフレインする「Talk Saxy」では、さらに存在感を示し、次はどんなRIIZEを見せてくれるのだろうとワクワクしていたら、初恋をテーマにしたポップソング「Love 119」では雰囲気をガラリと変えて驚いた。
「Love…」は韓国のロックバンドizi(イジ)が05年に発表した「救急室」をサンプリングしたもの。原曲のエモさをうまくポップに落とし込んだ、“レトロ感性(懐かしい雰囲気)”の曲だ。日本で撮影されたMVは映画のような仕上がりで話題となった。ソヒの寝起きシーンをはじめ、京王線で学校に通う様子やワイワイ遊ぶ姿など、自然な雰囲気と違和感のない表情や演技で完全に世界観を作り上げていた。ロサンゼルスで撮影された「Memories」に対して、本作は都会から離れた静かな日本の街。しかし、どの風景のなかを走り回っていても馴染んでいる。その柔軟性はRIIZEの楽曲の幅広さにも通じているように感じる。つい期待値が高くなってしまうが、次にRIIZEがどんな作品で驚かせてくれるのか楽しみだ。そうして続いていく彼らの軌跡をこの先も見続けたい。(河野 利枝)
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