資本金は1000万円、人件費など必要資金は10億円? スタート社の運転資金はどこから?
性加害問題の被害者救済に引き続きあたるSMILE―UP.(スマイルアップ、旧ジャニーズ事務所)から新会社「STARTO(スタート) ENTERTAINMENT」に従業員240人、タレント約100人の大半が移った場合、「人件費などを含めて必要な資金は10億円ほどではないか」とみる関係者もいる。
新会社の資本金は1000万円で、株主や出資者などは明らかになっていない。企業法務に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士は、出資者について「リスクや利益の分配を考えれば、ジュリー氏を除く複数の組織やファンドが出資していることが考えられる」と指摘。福田氏は周囲に銀行からの融資に苦戦していることを明かしており、河西氏は「融資額の回収を主眼に置く銀行よりは、経営に参画できる出資者の方がお金を出すモチベーションは高いのではないか」との見方を示した。
〇・・・スマイルアップ社はこの日、公式サイトで再発防止策の実施状況について伝えた。これまで行ってきた対策をまとめ、外部アドバイザーの設置、月に1回程度の取締役会の実施、独立した外部専門家による内部通報制度の設定などを伝えた。またジャニー氏から性加害を受けた被害者への補償については、先月30日までに被害申告者計23人に対して補償金の支払いを完了したことを発表している。他の申告者についても在籍確認や個別の聞き取りなどを進めている。
〇・・・スタート社は公式サイトで新たな3つのチャレンジを掲げた。①DX(デジタル・トランスフォーメーション)化②グローバル展開③メタバース(仮想空間)市場への参入――だ。
①のDXとはデジタル技術を駆使してビジネスモデルを変革し新たな価値を創出していくもの。サブスクの普及で音楽ビジネスが過渡期を迎える中、同社は「独自の音楽配信サービスを立ち上げる」としている。②は「米国、韓国などへの世界展開」。K―POP勢の世界進出戦略が成功する中、日本からも世界的スターを生み出す狙いがあるとみられる。③はメタバース上での「最先端技術でアーティストの才能を拡張」。旧ジャニーズの事業でもバーチャルキャラクターを活動させた実績があり、こうしたノウハウが生かされる可能性がある。
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