増子敦貴インタビュー① 舞台「千と千尋の神隠し」ハク役を海外で演じ「自分が今、輝いていると実感できました」

ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)

舞台「千と千尋の神隠し」でハク役を演じ話題となった俳優の増子敦貴が、トピクルインタビューに応じました!全3回掲載の初回は、7月に千秋楽を迎えた「千と千尋の神隠し」の思い出を振り返ってもらいました。

――本日はよろしくお願いします。衣装お似合いですね。

「よろしくお願いします!この服、いいですよね。私服ではなかなか着ないようなパステルカラーで、胸元も開いててセクシーでしょ?(笑い)。普段は半袖短パンとか“楽を極めた”格好が多いので新鮮です」

――確かにセクシーですね(笑い)。横顔やフェイスラインの美しさも際立ってます!

「ありがとうございます!顔のラインとかは、石原さとみさんが実践しているストレッチを毎日やってたら、こうなりました。胸鎖乳突筋、でしたっけ?ぜひやってみてください!」

ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)

――笑顔がまぶしくてステキです。一方、7月に増子さんが千秋楽を迎えた舞台「千と千尋の神隠し」ではハクを演じましたね。

「再演の舞台に今回、新キャストとして参加しました。元々できあがっている形に入り込むのは大変だったのですが108公演、頑張りました。特にロンドン公演は刺激的でした!上海やマカオでファンミーティングをさせていただいたことはありますが、作品として海外の舞台に立つのは初めて。プレッシャーはありましたが、カーテンコールでは“自分が今輝いてる”と実感することができました。拍手も声も予想以上で、素晴らしい経験になりました。間違いなくこれからの大きな財産です!でも、振り返ると悔しい部分もある。もし再演があるとしたら、ハクはまた絶対に再挑戦したいなって思います」

ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)

――ロンドン公演の思い出は?

「そもそもヨーロッパに行くのが初めてで、本当に幻の1カ月半でした。今だから言えますけど実は僕、ロンドンで体調3回くらい壊してるんです…。日本だと2年に1回くらいしか風邪を引かないので、自分のことは“免疫力バカ”だと思っていたのに!時差とか、気候の変化とか、乾燥とか。初めての土地で身体が対応できなかったみたい。あとは日照時間かな。向こうって夏だと午後10時くらいまで暗くならないんですよ。新しいことばかりで『すげー!』って反応するけど、身体はどんどん疲れていく。でも、明るいから、寝る時間なのに寝に行けなくて、疲れが取れないみたいな…そういうところは勉強になりました」

――植物みたいな感じですね。

「植物!ホントそんな感じでした(笑い)。でも、初めての場所だからこそリフレッシュできた部分もあります。僕、英語が分からないので…日本だと耳にした言葉の意味が分かるけど、英語だとそれが分からない。何も情報が入ってこないからこそ、逆にそれが良かったですね。純粋に街並みも綺麗だし、人間として刺激を受けることが多かったです」

――ハクに再挑戦できるとしたら、またロンドンでやってみたいですか?

「ロンドンの気候や環境は僕のボディーデータに入ってるので、次は1回も体調崩さないと思います!もし違う国でやるとなった場合は、また新しいボディーデータが手に入りますね…そうなるとやっぱり世界各国でやりたくなる!まさか自分がロンドンで舞台に立てるなんて…人生って不思議だと思いますが、いろんな世界を見れて楽しいって感じます!」

笑顔を見せる増子敦貴(撮影・大城 有生希)

――ハクの役作りで意識したことはありますか?

「(初演の時の三浦)宏規くんは儚(はかな)くて、コタくん(醍醐虎汰朗)は力強いイメージのハクだった。2人とも凄くステキで、そこに入り込むためには僕の良さを出さないといけないと思った。何が自分の良さなのかを考えた時に、たどり着いたのが僕自身の中性的なところなのかなって。ファンの方からは、男性的な部分と女性的な美しさの狭間にいるねって言われることがある。僕の想像ですけど、神様って中性的な存在じゃないですか。そういう部分は意識してました」

――具体的に意識したところは?

「僕自身、身長が1メートル73あって、原作に比べるとガタイのいいハクなんです。なので中性的な部分を出すために、引き算で考えながら役作りをしました。ちょっとした所作やたたずまいを細かく意識して…無駄な動きをしない方がハクっぽいかな、とも思った。上下運動を減らしたり、動く時は足音が出ないようにスーッと動いてるような所作にしたり…でも、テキパキと動いて迷いがないようなイメージ。あとは横顔が中性的と言われるので、横顔多めに見せたりとかですかね?舞台を100公演以上重ねて、自分の中のハクと向き合いながら作り上げていきました」

――「千と千尋の神隠し」を経て、改めて感じた舞台の魅力はありますか?

「一緒に演技するキャストさんが違うと、自分の中で、ハクのラストシーンを迎える気持ちが違う感覚がありました。千尋と別れる時に『振り向かないで』っていうところがあるんですけど…『しっかり千尋を見送れて良かった』というハッピーな気持ちを持ったり、逆に『もう会えないかな』って儚い感じで迎えた時もある。最後にどんな気持ちになるかは物語を進める中で積み上げていきました。例えば湯婆婆が夏木マリさんだった時は『あ、このまま本当に八つ裂きにされちゃう』って感じたし、アンダースタディの方だったら『許してもらえそう』『愛情深いな』って。それで最後に向かうのですが、どの公演も正解がない。で、僕と千尋役でラストの捉え方がカチッとはまると、これがもう最高。舞台の魅力ですよね。とても面白かったです」

――オーディションを受けたきっかけは?

「三浦宏規くんが出演する初演を見に行ったら、もうとんでもなくて…僕もハクを演じてみたいなと思った矢先にオーディションのお話がありました。これは受けるしかない!と思って受けたら、ジョン(・ケアード)が僕に伸びしろを感じてくれたみたいで選んでくれた。決まった時は本当に嬉しかったです!でも、全公演を終えて、自分の演技を客観視できるようになった方がいいとか、課題も見えてきた。帝国劇場での公演より、ロンドン公演のハクの方が良い演技をしていると感じたので、そういう部分も含めてまた挑戦したいという気持ちがあります」

――ハク役に決まった時のファンの反応は?

「凄く喜んでくれたし、応援がとても力になりました。僕にとって初めてのことだらけで、多分、ファンの方も緊張したんじゃないかな?(笑い)。初日、大丈夫かな…とか、帝劇やロンドン公演もあるし…みたいな。でも、海外から応援しに来てくれたファンの方もいて、本当にありがたかったですね」

――ジブリで好きな作品は「千と千尋の神隠し」でしょうか?

「千と千尋の神隠しももちろん好きなんですけど、『耳をすませば』と『ハウルの動く城』も好きです!特にハウルは憧れですね。人間的には断然ハクの方が好きなんですけど(笑い)。木村拓哉さんの声で『ずっと探してたよ』って登場するシーンが格好よすぎるし、指輪にこもった裏設定もいい。ドアを開けると違う場所に行くっていう世界観も好きですね…。今回『千と千尋の神隠し』を舞台化もできたので、ハウルも期待しています!」

◇増子 敦貴(ましこ・あつき)2000年(平12)1月5日生まれ、福島県出身。16年にエイベックス主催「Boys Award Audition 2016」でファイナリストとなり芸能界デビュー。俳優としては18~20年にミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズン、21年にテレビ朝日「機界戦隊ゼンカイジャー」など話題作に出演。主演を務めたMBSドラマ「体感予報」(23年)ではアジア各国からも人気を集めた。男女7人組ダンス&ボーカルグループ「GENIC」所属。特技はサッカー。好きな食べ物はラーメンで、自身を例えるなら「煮干しラーメン」。血液型B。

増子敦貴【インタビュー②】はこちら

増子敦貴【インタビュー③】はこちら

この記事のフォト(4枚)

  • ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)
  • ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)
  • ポーズを決める増子敦貴(撮影・大城 有生希)
  • 笑顔を見せる増子敦貴(撮影・大城 有生希)

関連記事

お気に入り記事一覧

お気に入りがありません。

プレゼント