小室哲哉、顔面骨折 歯も2本折れた 気づかれずにTMNETWORK全国ツアー完走

今月2日にロックユニット「TMNETWORK」の全国公演を終えた小室哲哉が、ツアー直前に右目の眼窩(がんか)底を骨折する重傷で入院して手術を受けていたことが22日、分かった。取材に「鍵盤が4段に見えるなどリハーサルもまともにできなかった中、ケガを隠しながらツアーを完走できたのは自信になった。TMの新たな可能性も見せることができた」と重傷を乗り越えての完遂に笑顔を見せた。(阿部 公輔)

右目に眼帯をしながら取材に答える小室哲哉

顔面を骨折したのは昨年大みそか。都内の仕事場で転倒し、壁の角に顔面を強打。激痛とともに顔の右半分が皮下出血で真っ青に腫れ上がり、右目を開けることはできず、歯も2本折れた。

すぐに大みそかでも診察してくれる医師を自分で探し、直接電話で状況を説明。新年を迎えた元日に診察を受け、2日から都内の大学病院に入院。眼窩底骨折で全治1カ月との診断により、3日に手術した。医師から「顔面を強打した際に気を失った可能性がある」と言われ、脳や心臓なども検査したほどの重傷だったという。

入院中の小室が心配したのは、1月21日の東京・立川公演から始まる全国ツアーのリハーサル。手術から2日後の同5日に開始予定だったため「ツアー初日には間に合わない」とスタッフは諦めかけていたが、当の本人は違った。

「全て自分のせいで起きたことなのでメンバーやスタッフに迷惑をかけられないし、何より楽しみにしているファンの皆さんに申し訳ないので、何としても初日からステージに立つと決めていました。入院は2週間と言われたんですが、それだとリハーサルが終わっちゃうので10日間で退院してそのままスタジオに直行したんです」

眼窩底骨折はくしくもTMのツアー最終公演があった今月2日にボクシングの“世紀の一戦”で、井上尚弥と対戦した中谷潤人が負ったケガと同じ。あまりに早く退院し、後遺症を抱えながらのリハーサルは厳しかった。

左目に眼帯をしながらリハーサルに臨む小室哲哉

「視力障害がひどく、見る物すべてが二重に見える“複視”と眼球運動にも支障が出て、キーボードの鍵盤が上下2段に、しかも斜めに見える感じで。もともと僕の場合、キーボードを2段くらい並べているので上下4段くらいに見えちゃって(笑い)。これじゃ無理だと眼帯をしながら左目だけで演奏すると、いつもの何倍も疲れて大変でした」

さらにボーカルの宇都宮隆が体調を崩し、結局3人でのリハーサルは4日間だけ。そのまま立川の初日公演に臨んだが、宇都宮とギターの木根尚登の2人から「3人一緒のサングラスで登場しようよ」と提案があった。

「いいヤツらなんですよ。来てくれたお客さんにケガを悟られないよう、僕らの出世作『Get Wild』のビデオを香港で撮影した時の真っ黒なサングラスなら違和感がないよねと考えてくれて。僕も顔の右半分を客席に見られないよう、真横でピーンと立ったまま演奏して。だから僕、初日はちゃんと前を向かずに終わってるんです(笑い)」

結局14カ所20公演ののツアーをケガを一切気付かれずに完遂。「フロントマンのボーカルだったら難しかったと思う。僕がいつも淡々と演奏する人だから、観客も“今回特別クールなのは裏方的思考なのかな”と思ってくれる。3人組で本当に良かったなと痛感しましたね」

ツアーは完走したが、折れた歯はまだ治っていない。「転んだ時に顔面より先に手が出ないのは、年のせいかもね」と笑いながら、文字通りの“ケガの功名”もあったという。

「ライブでの僕の動きは引き算になってしまったけど、他の2人をうまくフィーチャーできてTMのライブの新たな可能性を見せることができた。引き算なのにプラスにできたのは凄く大きい」。穏やかな笑顔に、進化への自信がうかがえた。

▽眼窩底骨折 眼球が位置する空洞を「眼窩」と呼ぶ。眼窩の下(底)の部分が骨折した状態で、骨が薄いため外傷で折れやすい。一般的には、交通事故や転倒のほか、ラグビー、ボクシングなど肉体的な接触の多いスポーツで起こる。周囲の神経や筋肉にも影響し、視覚障害や眼球が動かしにくいなどの症状が出ることもある。治療は骨折の度合いなどによって手術が選択されることもある。

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