【ききみみ】オーディション番組ブームの先駆け「日プ1」 脱落した練習生たちの今

公開オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」(日プ)の放送から5年半。アイドルのオーディション番組が大ブームとなり、数々のオーディション番組が社会現象となった。NiziUを生み出した「Nizi Project」、BE:FIRSTを生んだ「THE FIRST」、HANAが出てきた「No No Girls」のほか、timeleszの追加メンバーを決定した「timelesz project」など、多くのスターが誕生した。

ORβIT公式インスタグラム(official_orbitgram)から

一方で、夢破れた者のドラマを生むのもオーディション番組の宿命だ。中でも「日プ」シリーズは視聴者が「国民プロデューサー」として投票するため、脱落した練習生にも熱心なファンが多い。脱落しても番組の勢いそのままに、デビューした派生グループもある。だが、エンタメの世界は、その先にさらに厳しい戦いが待っている。

「日プ」シリーズ1の放送後、脱落した練習生たちが「ORβIT」「OWV」「BXW」「Boom Trigger」「円神」「BUGVEL」などのグループで続々とデビューした。だが、メンバーのSNSの更新が止まったり、しばらく新曲を出せないなど苦しい状況が続くグループもある。

7人組の「ORβIT」は現在、リーダーのHEECHOが体調不良により、JUNEが作家活動に専念のため、それぞれ活動を休止。「BXW」はデビューから3年半で無期限活動休止に。5人組「Boom Trigger」は4人が脱退し、事実上の解散。6人組だった「BUGVEL」は、2人が脱退し4人体制となった。「円神」は「ENJIN」へと改名。瀧澤翼ら3人が卒業し、6人組となった。彼らが思い描いたアイドル像に近づけたのかは分からない。

そんな中、OWVはデビュー時から変わらず4人で活動している。5回の全国ツアーを成功させ、今年4月にもアルバム「Supernova」を発売。中川勝就と浦野秀太はフジテレビ「ぽかぽか」で火曜レギュラーを務め、佐野文哉はTBS「オールスター感謝祭’24春」の「赤坂5丁目ミニマラソン」で優勝するなど、個人での活動も精力的だ。関係者は「現在成長中。今後さらに飛躍していくだろう」と期待する。

時々番組サイトを見ることがある。参加した練習生全員のプロフィールや映像は今も公開されたままだ。顔ぶれを見ると、行方も分からなくなってしまった人がほとんどだ。中には覚えている顔もある。番組内のオーディションのステージでセンターを飾ったり、ポジションバトルで1位になったり、強烈な光を放った者もいる。音楽関係者は「不合格だからといって力がなかったわけじゃない。合格者以上に引かれる才能もあった。今後チャンスをつかんで出てくる人がいてもおかしくない」と語る。彼らは今も夢を追い続けているのか、それとも…。

そんな彼らが、表舞台で活躍する姿を思い浮かべることもある。そんな場面を見られたらいいなとも思う。OWVだって、一度は夢への道を断たれた人たちだ。

「日プ」にはそんな夢がある。

(井利 萌弥)

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