【ききみみ新曲PICKUP】DISH//「ウェディングソング」

「ウェディングソング」のジャケット

タイトル通り、どストレートな〝結婚ソング〟が先月28日、配信リリースされた。ドラム・泉大智が友人の結婚をきっかけに作詞・作曲。発売日に公開されたMVは〝ゆるかっこいい〟仕上がりとなっている。

4人組「DISH//」は2011年、俳優ユニット「EBiDAN」内に誕生したダンス・ロックバンド。楽器初心者たちが懸命にスキルを磨き、2年後にメジャーデビューを果たした。

大きな転機は20年。3年前にシングルのカップリング曲としてあいみょんが提供した「猫」を、一発撮りの動画コンテンツ「THE FIRST TAKE」で披露して話題に。このバージョンがシングルとして配信リリースされ、同年のレコード大賞・優秀作品賞に輝いた。ボーカル・北村匠海は役者としてすでにブレークしていたため「歌ってたの?」と驚く人もいただろう。

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前置きが長くなってしまったが、今回の「ウェディングソング」。MVでは、散らかったリビングにTシャツ姿で現れた北村が着替えながら歌い始める。他のメンバーも次々に歯を磨き、ネクタイをしめ…と、結婚パーティーに行く準備をしているような光景。気づけば最後は、自然にバンド演奏の絵に収まっているのが面白い。

過去の苦労も見てきた友人の結婚を祝った曲。男同士の熱い友情が伝わる。役者もしているシンガーって、やっぱり「表現力」が独特で凄い。最近だと上白石萌音に同じものを感じたが、歌でも声の出し方や表情で喜怒哀楽を自在に表現できる。せりふをつぶやいたり、叫ぶうように、歌うのだ。今回の北村の歌い方は、ロマンチックじゃない。男友達にしゃべるような無骨さ、思い出を懐かしむような、照れくささもまじる優しい言葉。相手との関係性が浮かび、さすが俳優だなあ、と思う。

女性が主役の結婚式で定番曲になるのはなかなか難しい気はするが、男性の間では人気の結婚ソングになるかもしれない。(萩原 可奈)

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