クリスマスに“ソロデビュー”する中島健人 一問一答①「人間としての殻を破る」
3月末でSexy Zoneを卒業した中島健人がソロデビューする。12月25日にアルバム「N/bias(ノンバイアス)」を発売。来年1月17~19日には東京・有明アリーナでソロ公演を開く。「改めてはじめましてなので、自分の考えをしっかりと受け取ってほしい」と思いを明かした。以下、中島の取材での一問一答。
――アルバムをいつから構想していた?
「4月にファンクラブを開設させていただいてから多くのファンの皆さまに支えられている実感、体験があった。直ちに恩返しできる場所が欲しいと思っていました。それに付随してしっかりと今の自分の音楽的表現を体現できる場所はライブステージだと春のタイミングでは考えていた。そこから自分の日々考えてるインスピレーションなどをアルバムのために考えながら今日まで歩んできました」
――アルバムはどのような内容?
「自分の今考えている言葉だったりとかメロディーを形にしてみるというのが、一番僕がこのタイミングでやりたいことである。かつ最もこの重要なテーマで言うと、中島健人に対する偏見だったり評価を一度取っ払ってみて、人間としての殻を破るっていうのが、コンセプトです」
――ご自身での作詞などが割と多い?
「割と多いです。生みの苦しみってこんなに心地いいんだと思いました。もちろんソニーさんの音楽チームかつ自分のマネジメント周りもそうですけど、一度僕のアイデアを提出してみて、それをもんで醸成してその1曲に仕上げるんですけど、プロの集合体ですから簡単には通らない。だから自分の信念をちゃんと貫き通すために日々いろんなことに感受性を豊かにしておいて吸収してそれで形にして、アルバム制作にいそしんでいる形です」
――殻を破ってどんな中島健人になる?
「個人的には今の環境で音楽制作をしていて強く実感するのは、自分の頭の中にある言葉やフレーズ、メロディーがしっかり具現化されることも一種の自分の中の殻を破ること。もう既にそこにあったレールを走るのではなくて、しっかりとレール作りからして、そのレールの上を自分が走って、チームで走るという流れが僕の最初の一つ目の殻を破れていること。そのプロセスをちゃんとお客さまにお伝えすることで、音楽の聴き方も変わると思うし、受け手の気持ちもより幅が広がって、自分自身の音楽の聴かれ方がより濃くなっていくんじゃないかなと思っている。まずひとつ殻を破れる気がしてます。殻が何個あるのかは、分からないんですけど、いわゆるやっぱり“BORN TO BE IDOL”ではあるので、もちろんアイドル属性ですし、今までの16年間のキラキラしているような人生をみなさまのおかげでありがたく過ごさせてもらってます。でもそのキラキラアイドルだけではない部分、『N/bias』っていうのはNって大きめに表記してますけど、あれはNの世界観であり、Nとはネオである、Nとはナチュラルであるという意味でもあって、さらには中島ということでもあるんです。自分の素の部分をアルバムでは出していく。自然体のいろんな感情が入ってます」
――全部見せるのは怖くはない?
「改めて初めましてなので、何か最初に自分のこの考えをしっかりと受け取ってほしいなという気持ちが強いです。だから、隠すよりもどちらかというと、今、僕はこういう人生を生きている、今、こういう考えを持っているということを、音楽を通して表現したいというタイミングかもしれないです」
――どのようなライブになる?
「どういうライブが見たいですか?俺もそれ結構迷っちゃってて。久々に会うんですよ、ファンの皆と。木村拓哉くんのライブに行ってすごい刺激を受けた。“いや勝てんのか、これ、強すぎるだろう”っていうキングの姿を見てきた。連絡させていただいたら、“明日もかましてくるわ”みたいなめちゃくちゃかっこいい感じの返事がきた。先頭に立つ方のパワーを感じた。しかもアリーナで、1人で中央で高らかに歌い上げる姿って、常人じゃできない。ここまですごいんだ、この先輩って思わされるぐらいの圧倒的スター感だった。それとはまた違う中島健人像をしっかりと見せていけたらいいなと思ってます」
――ファンの求めている物も出していく?
「そうですね。なんかもう全部フルモデルチェンジっていうよりも、今までのもちろんここまで応援してくれているファンの皆さんに感謝を届けたいっていう気持ちがもうすごくあふれている。まずそこの感謝を大切にしたいです。そこからこれから応援してくださってくれるであろう方々に対しても自分の今の中島健人はこうです。なので、もしよかったらあなたのお時間をくださいみたいな、何かそういう時間にもなるかもしれないです」
――YoutubeやTIKTOKの開設について。
「自分の『N/bias』のスタートとともに、派手にいろんなコンテンツを立ち上げさせていただいて、みんなと一緒に盛り上がっていきたいなと思っている。ちょっとわくわくしてますね」
――ソロデビューに臨む率直な気持ちは?
「実感したのは、多くの方に日頃支えられているんだなということです。それを改めて直結で実感した。集合体として一つの現場に立って皆さまのフォローを受けるというものではなく、形が変わり今は1人という形で現場に立って皆さまからのフォローを受けるというのは支えてもらってるっていうこの事実を直結で受け止めている。しっかりと責任を自分で背負っている気持ちで、多分臨んでいくと思います。ある種、ソロってステージ上にはソロで立ってますけど実は自分のチーム皆の意識、皆の気持ちを背負っている感覚がより強くなってます。こんなにスーツの人たちに囲まれているのがすごいことだなって思ってる。人間として大切な、今の自分の身の回りの環境をしっかり知ること、自分が今感じていることをしっかりと認識することの大切さみたいなものを改めて新しいフェーズに入って、身にしみてすごく感じているタイミングかもしれない」
――プレッシャーはないですか?
「でも何事もやっぱり楽しんでいくしかないなっていう感じかもしれないです。今本当に製作期間でいろんな仕事をやらさせていただきながら、それと同時並行でアルバム制作とかしてるんですけど、本当に充足感を感じている。これが早く、表舞台に出てほしいという期待の方が大きいかもしれないです」
――今回挑戦したことは?
「本当にぜいたくかもしれないですけど、MVに2日かけました。すごいなと思いますね。うれしかったです。打ち合わせの段階で、数日、複数日かけたいっていうふうなお話をさせていただいた。しっかりとそれが実現できて、中身も濃い物になっていると思います。本当にとにかく時間をかけてます。時間をかけて一つ一つにこだわってます。そこが今回のアルバムの一つの大きいポイントかもしれないです。振り付けの方だったりとか、もちろんその音楽アレンジャー、たくさんの方と関わらせていただいて自分が歩んできた表現の世界とはまた出会ったことのないような、そういう化学融合で超融合みたいなのを今している段階。音楽的変化みたいなものは1発目で早速感じるかもしれないです。自分が目指すべき音楽の方向性は実はある。僕はジャパンポップスのアイコンになりたい。ジャパンポップスっていうのはいわゆる海外の方が日本文化に印象を受ける着物、侍だったり、巻物忍者とかそういうのではなくて、どちらかというと70’s~90’sとかの海外でまた再評価を受けたニューミュージック。国内の王道ポップスでもなく、そういう再評価をされたニューミュージックとか日本のいいところを下敷きにした新しい音作り表現作りみたいなものが僕はジャパンポップだと思うのでそのアイコンになりたいというふうには、今、力強く思ってます。1曲目もそうですけど聞いたことのないような、展開性のある音楽が始まると思います」
――STARTO ENTERTAINMENTのイズムの影響は?
「僕がやっぱり現在の会社の中で今の会社をレペゼンして、しっかり中島健人として、動いている理由はやっぱり自分を育ててくださった場所でもあるのでまだそこに僕は恩返しできてるのかと考えた時にこれから恩返しをもっとしていかないといけないというのがあった。それが自分が今いる場所でしっかり活動させていただく大きなきっかけです。そこから伝統文化みたいなものをどう継承していくかって話なんですけどもちろん継承してます。急にペンライトなし、うちわなし!ではないです。ペンライトバンバン振ってほしいし、うちわとか風を送ってくれるぐらい(振って欲しい)。全部ザ・アイドルのライブステージっていう文化はしっかり継承します。会場内だけの盛り上がりも大事ですけど、会場内での盛り上がりが外にあふれるぐらいの世界観が作れたら良いなと思う。すてきなブランドのお店に行ったときにいろいろと買い物をして紙袋を持ってその店から出てきたお客さまの顔ってすごくきらきらしてるんですよね。どこか自信に満ちあふれていて、明日これを着てまた新たな日をスタートさせるんだという景色を見たことがある。自分のライブも明日からもう胸張って頑張ってみたいなとか楽しんで生きたい、もっと素直に生きてみたいと思ってもらえるような、そういうライブ作りが一番できたら一番うれしいです。その会場だけで完結しないライブがつくりたいですね」
――海外進出への思いは?
「本当にありがたいことに、今年『【推しの子】』の主題歌をやらせていただいて、『ファタール』という曲がたくさん聴かれる経験をさせていた本当にこれはもう作品にもチームGEMNにも感謝してますし、このタイミングで主題歌をやれたのも一つの運命だと思っている。ただやっぱもっともっとその1曲だけではなくて、もっと自分が関わった楽曲が国内外に知られたらいいなと思う。まずはやっぱりこの列島に聞かれたい。この列島に聞いていただいて、“なんかジャパンですごい音楽やってんじゃん”みたいな感じでまた欧米などから注目していただけたら一番うれしいですし、もちろん外国に対してのエンタメ的進出みたいなものは自分も目標でもある。ただし、侍であることは忘れない。刀は持ち続ける。刀置いてハンバーガー!という感じではなくてどちらかと言うと、ちゃんとジャパニーズソウルで外国のステージにも立ってかつ、日本中でたくさんの方に聞いていただけるようなそういう曲作りをしたいです」
――アルバムの映像面についてはいかがですか。
「1曲目から見たことない中島健人が間違いなく見られる。マジ!?っていう感じにはなると思うんですけど、それも全部僕の仕業。パンチのある、来年へび年なので“あれ、私噛まれたかも”みたいなMVになってるかも。終わった後に、ちょっと衝撃があるかもしれない。でもそれも一種の僕のナチュラルというか、自分自身にももちろん喜怒哀楽あるし、紆余(うよ)曲折あるし、なんかそれも強く伝えたい。自分の中に今秘められているパワーを音楽を通して表現してるときが一番幸せです。だから楽しいし、MVの日が撮影もどんなにスケジュールがあってもすごく楽しく感じちゃうし、最上の心地よさを感じているので、最初の作品はもしかしたらすごいギャップもあるかもしれないんですけど楽しい、僕の一部なので。僕のそこの一部をめちゃくちゃ強く表現した曲です。結構クリエーティブ人の同世代なんですよね。びっくりしちゃって。結構監督も体格が大きい方で、僕もわかりましたみたいな感じでやってたんすよ。それで監督っておいくつなんですかと聞いたら、僕今30歳なんですけど、29歳って言われた。同世代のクリエイターがめちゃくちゃ集まってきているというか、チームもそうですけど、ちょっとびっくりです。エネルギーがもうあり余った状態の人間がめちゃくちゃ集まって一つの作品に詰め込んでいるので、そこのパワーをちょっと1回お試しで見ていただけるとうれしいですね」
――同世代のクリエイターからは刺激を受ける?
「ありますね。今年東大出身のアーティストにダンス教えるというすごいこともやった縁の巡り合いみたいなものはすごく今年1年、かなり多く感じた。だから、なんかいろんな新しい方にすごく会ってるんですけど一番は新しい自分に会えた気がします。その新しい自分の側面だったりとか、あとはもう多面性みたいなものも『N/bias』しっかり表現したいです」
――timeleszのオーディションは見ている?
「最低限は追ってます。SNSで話題になってるのも知ってますし僕らががターニングポイントを迎えた時にお互いに刺激を与えあうと約束してる。やっぱ心の中でお互いにずっとこの新たなスタートを迎えて今日までエールを送り続けてるっていう事は間違いない。彼らが彼らでめちゃくちゃすごいすてきなことをやっていくと同時に自分もちゃんと皆になんかすげえ音楽やってるなっていう刺激を与えられるようなそういう人間にならないといけないなというさらに責任みたいなものも背負ってる。背負いたくて背負った責任なので、それがすごく今の自分の人生の中ですごく大切な物かもしれないです。とにかくお互いに会社は一緒なので頑張っていこうよとエールをポジティブに送り合っています」
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