LUNA SEA 東京ドームで集大成となるライブを開催!GLAYと同所で25年ぶりの対バンも

東京ドームで25年ぶりに対バンライブを行ったLUNA SEAとGLAY (提供写真)
昨年5月に結成35周年を迎えたロックバンド、LUNA SEAが2月22、23日の両日、東京ドームで集大成となるライブを開催した。初日はデビュー当時から弟分として親交を重ねてきた4人組ロックバンド、GLAYと同所で25年ぶりの対バン。お互いのオリジナル曲を演奏して会場を盛り上げた。
「覚悟の夜」と題した最終日は、2000年12月に同所で行った「終幕」ライブの映像で幕開け。3時間40分をかけて「JESUS」「WISH」など全19曲を披露したステージで、ボーカルのRYUICHIは「今年は5人で新曲を作ろうかな」と続く未来を約束。漆黒の会場を歓喜で包み込んだ。2日間で9万人が熱狂したライブの1日目をレポートする。
「The Millennium Eve 2025」と題した22日は、インディーズ時代に、ロックバンド、X JAPANのYOSHIKIが主宰したレーベル「エクスタシーレコード」に共に所属したGLAYと、1999年12月24日以来となる“対バン”ライブを開いた。
開演時刻の午後6時ぴったりに始まったライブは、GLAYが先攻。耳をつんざくギターが印象的な「WET DREAM」でスタートし、TERUの「東京ドーム!」のシャウトで一気にヒートアップ。冒頭からステージ前方で炎が噴き上がるド派手な演出で、Buddy(GLAYファンの愛称)とSLAVE(LUNA SEAファンの愛称)を圧倒した。

東京ドームでライブを行ったLUNA SEA(提供写真)
最初のMCでTERUは「25年の時を経て、ここに帰ってきたぞ!SLAVEのみんな、東京ドーム。みんな暴れていこうじゃないか!」と気炎。色気たっぷりに歌った「サバイバル」では、終盤、TAKUROのギターにフィーチャー。そのまま大ヒット曲「口唇」のイントロが奏でられると、まさかの展開にどよめきが広がっていった。真っ赤なルージュのように、深紅のライトで染まった会場。上がった無数の拳はTERUの歌声に合わせて大きな波のように揺れていた。
盛り上がるファンをうれしそうに見つめたTERUは「今夜はLUNA SEAとGLAYにしかできない、ミレニアムイブにしましょう。次はGLAYにとってとても大切な曲」と「pure soul」を歌唱。
足下にスモークが広がる幻想的な空間で、人生の岐路で選択を続ける中で、支えてくれた人への熱い思いを歌詞に込めた楽曲を力強く歌い上げた。歌い終えると、右手を胸に置き感謝するTERUに大きな拍手が送られていた。
余韻が冷めぬ中、鍵盤の優しい音で始まった「HOWEVER」は、その1音で「わぁ!」と大歓声。東京ドームを、4人が生まれ育った北海道・函館の風で包み込んだ。

対バンライブで肩を組み歌う(左から)GLAYのTERU、LUNA SEAのRYUICHI (提供写真)
中盤のMCではギターのHISASHIが「今回託児所を設置していただいた、LUNA SEA、そしてスタッフの皆さん温かい配慮をありがとうございます」と幅広い層が支持する両バンドならではの取り組みを感謝。「日々頑張っているお母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、そして元気に育った君たちにこの曲を送りたいと思います」と続けた。
ほんわかとした空気の中で届けられたのは、LUNA SEAのSUGIZOに長女が誕生した際、TAKUROが書き下ろした「THINK ABOUT MY DAUGHTER」。歌い終えたTERUは両手を広げ「お母さんありがとう。お父さんありがとう」と愛を送り続けていた。
韓国のボーイズグループ・ENHYPENのJAYと共作した「whodunit」では曲の途中でTERUが「♪Jesus don’t you love me?」とLUNA SEAの「JESUS」の冒頭のセリフを口にし、突然カバーを披露。会場の揺れが大きくなっていく。「もっと行けんのか。暴れていこうぜ!!!」とあおると、ドラムで始まる「誘惑」で再び会場を燃え上がらせた。
TERUは「25年の時を経て、しかもトップバッターで責任重大でしたけれども、みんなのお陰で良いライブができました。楽屋でもLUNA SEAのメンバーは、僕らを弟のようにかわいがってくれる。せっかくだからお願い事をしようと思ったんですけど」と続けると「10年後もまたやりたいね!! みんな60(歳)過ぎてるけど、誰ひとり欠けることなく絶対ここに帰ってこようぜ! 一緒に夢見ていこうぜ!」と呼びかけ。

LUNA SEAのSUGIZO(提供写真)
「10年後にまた会おうぜ!」とシャウトすると「BEAUTIFUL DREAMER」を熱唱。夢を描き続けていくことを、両ファンに誓った。
66分で12曲を演奏したGLAYのライブは、セットチェンジのため一時休止。23分後の19時半前に突然ミラーボールが輝き出し、ベートーベンの「月光」が響き渡った。
“後攻”のLUNA SEAは、右手でVサインを作り、ステージの中央へと歩みを進めたボーカルのRYUICHIを中心に全員が笑顔。それぞれが定位置に着くと、真矢のドラムカウントで「STORM」がスタートした。まばゆい光が、シーンのトップを走り続ける5人の節目を祝福していた。盛り上がる会場を見つめ笑顔のJは、肩からベースを外し、楽器を頭上に掲げて感謝していた。
2曲目の「Dejavu」ではイントロの爆発音で会場を着火。左右の花道に飛び出していくSUGIZOや、ギターのINORAN、Jに大きな声援が送られ、その勢いを牽引していく。2025年2月から、時計の針を巻き戻していくかのように、ステージ後ろのスクリーンには20代だった当時のミュージックビデオが流されていた。

LUNA SEAの真矢(提供写真)
ヘアスタイルをハーフアップにしたRYUICHIは「東京ドーム。みんな元気? 久しぶりに来てみたら、めちゃめちゃでかいライブハウスだよね。今日はGLAYと2バンドでミレニアムイブ。きっとGLAYがいなければ、俺たちはいなかった。俺たちがいなければ、GLAYもいなかったかもしれない」と強い結びつきを口にした。
「一緒にやってきた同士。こうやって15年に一度くらい会いたいよね。絶対やりたいと思っていたGLAYとの対バン。ライブハウス時代だったら、お互いのファンを取り合っていたかもしれないけど、25年3カ月ぶりのきょう、開催できてうれしいです。思い切り飛ばしていこうぜ!!!」とあいさつ。
穏やかなMCとは一転、始まった「DESIRE」では当時の狂気そのままに、会場を圧倒。「SHINE」、「IN SILENCE」など35年の間に生んだ名曲を、アルバムをめくるように披露していった。グリーンとレッドの光線が、ステージから会場を照らした「SEARCH FOR REASON」では、ダークサイドへと引きずり込んだ。
会場を沼に沈めた後のMCでRYUICHIは「GLAYと俺たちの絆はきっとみんなの中に、届いていると思う。すごいバンドがたくさん生まれたあの時代。これからもGLAYやLUNA SEAが牽引していくんじゃないかなと思います。またここに立てたこと、本当にギフトだと思うんで、東京ドームに集まってくれた全員が、本当に1人の脱落者もなく、心から楽しんで帰れるように。東京ドームに集まってくれたみんなに、心からI for You」と語ると、ステージから上手の花道へと歩き始めた。

LUNA SEAのJ(提供写真)
「♪心から キミに伝えたい」。支え続けるファンの目の前で、声を届けたい。ゆっくりと上手花道へと歩き出すと、手を振りながら「I for You」を歌い始めた。上手の大歓声に迎えられると、ステージ中央に戻り、今度は下手に伸びた花道へ。発声障害のひとつ、ジストニアを抱えていることを公表しており、時折苦しそうな表情を見せたが、持てる全てをさらけ出して熱く歌う様子に、涙を流す観客の姿もあった。
大きな愛を受け止めたRYUICHIは中央に戻ると笑顔で「東京ドーム最高だね。俺たち5人で35年の時を羽ばたいて、泳いできたんだよね。奇跡的に集まって、町田プレイハウスからここまで来た」としみじみ。「今夜はBuddyのみんなと盛り上がっていこうか!」とGLAYファンをあおると、GLAYの「SOUL LOVE」をカバー。中盤にはSUGIZOとINORANが背中合わせでギターを演奏する見せ場もあった。
終盤に演奏した「BELIEVE」のギターソロでは、上手花道の先端にいたSUGIZOが、GLAYの「彼女の”Modern”…」を織り込むサプライズも。思わぬ贈り物に歓喜が広がっていた。

LUNA SEAのINORAN(提供写真)
アンコールではTAKUROの「ミレニアムイブで 俺の夢を叶えててほしい。夢バンドを作りたい」という発案で、9人をシャッフルして新バンドを組むことに。25年前はじゃんけんで、先攻後攻を決めたが、この日はTERUとRYUICHIがじゃんけんをしてメンバーを指名していくことになった。
勝ったTERUは「まずJさん」と名指しし、続けてTAKURO、INORANと決め、新ユニット名を「テナシー」と命名。RYUICHIはJIROを筆頭に、HISASHI、真矢、SUGIZOを招き入れ、「THE★BAND」を結成した。
先に登場したのはTERU率いるテナシー。LUNA SEAの「TRUE BLUE」で会場を笑顔にした。「THE★BAND」はGLAYの「BELOVED」を選曲。冒頭はSUGIZOが美しいバイオリンの調べで、ファンを喜ばせていた。
9人で顔を揃えたステージでTERUは、過去に共演した音楽イベントの名を上げ、「エクスタシー・サミットですよね。まさかYOSHIKIさんいないですよね?」とRYUICHIに問いかけると、「恐らく海外だと思いますけど(笑)」と回答。仲良しならではのやりとりに、拍手が送られていた。

LUNA SEAのRYUICHI(提供写真)
3時間20分の対バンは、LUNA SEAの「WISH」で締めくくられた。2人のボーカルはステージ中央で肩を組みながら、互いを称え合うように熱い思いを交換し合った。花道に駆け出していった6人は、それぞれ向かい合い演奏をしたり、指ハートを作りファンと交流するなど思い思いの時間を過ごしていた。
RYUICHIは「みんなどうもありがとう。Buddyもすごい良かった。最高です。GLAYの皆さん、同じ時代に生まれてきてくれてありがとう」と頭を下げると、「最後にまた一つになって帰りたいと思います」と9人が横並びになり、「せーの!」の合図で一斉にジャンプ。RYUICHIは「東京ドーム、Buddy、SLAVE、GLAY!みんな愛してるよ。どうもありがとう!!」と投げキスをして喜びを表現していた。
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